こちらでは3Dプリンターで製造したキットの特性、製作時の注意点などについてご案内いたします。
3Dプリンターで出力されたキットは、その製造の過程で表面などにワックス(油分)が付着しているため、組み立て前にその除去が必要となります。
もしこの工程が中途半端だと、塗装時塗料が乗らず、簡単に剥がれてしまいます。また、しっかりとサーフェイサーをふかないと後述しますが塗装後しばらくするとワックスが内部から染み出すせいか、塗膜に悪影響を及ぼしてしまうので注意が必要になります。
台湾のディーゼル機関車S300のキットを例に当工房が採用している方法をご紹介します。
こちらで紹介する方法は、あくまで一例です。
材質や場合によっては、変形や変色が起こる可能性があります。
過去に光造形樹脂などで歪みが発生しました。作業は自己責任にて行ってください。
準備するもの
①超音波洗浄機
家庭用の小型のもの(アマゾンなどで3千円代から購入可能です)
②洗剤、タッパー
洗剤はマジックリンなど油汚れ用のもの
③ミッチャクロン、サーフェイサー、塗料
ホームセンターや模型店で購入できます
④瞬間接着剤、ゴム系接着剤 等
初めに、超音波洗浄機にかけるために各パーツをランナーから切り取ります、この時にバリを残さないように丁寧に処理してください。
細かいパーツや破損しやすいパーツはランナーのままでも大丈夫です。
タッパー入れた洗剤にパーツを入れ、数時間パーツを漬けておきます。
水を入れた超音波洗浄機にて洗浄を行ってください。
表面から出でくる白っぽいモヤモヤしたものが油分になります。
水を交換し、油分が出なくなるまで繰り返し行います。
洗浄がすんだら、日陰でよく乾燥させてください。
瞬間接着剤などを使用し組み立てを行います。
やり直しがきかないので、よく仮組を行ってください。
少量の接着剤で仮止めし、固定してから接着剤を流し込むと作業がしやすくなります。
S300の場合車体の手すりを真鍮線で再現し取り付けます。
念のため再度超音波洗浄機で洗浄→乾燥を行った後に塗装に入ります。
塗装作業は
ミチャクロン→サーフェーサー(念入りに)→塗装
の順に行い、修正と細かい色差しをして最後にクリアコートを吹きます。
デッキの手すりや窓、各種パーツを取り付けて完成です。